2011年11月9日水曜日

ケーニン、ヒッポを行く(最終章)

ある時、幼稚園のママ友から、その韓国のお母さんに
化粧品をもらったお礼に、お惣菜をあげたいから
通訳してと頼まれました。
私はそのお惣菜をさして「プレゼント フォーユー」と一言。
日本人ママが「もらったクリームがすごくいい」と顔にクリームを塗る仕草をしたので
「クリーム、ナイス!」くらいを言いました。
こんなことで通訳だなんて恥ずかしいなあと思ってたら、
その日本人ママから「今、なんて言ったの?」って。

もちろん、その人にだってそのくらい言える英語はあるんだと思います。
おそらく私が言ったことぐらい彼女だってスペルも間違えずに書けるはず。
でも、「わからない」と思ってしまえば何もわからない。
相手の言っていることを聞こう、わかろうと思ってたら何となくわかるものなのにな~。

ヒッポに参加してから、いろいろな国の人と会ってきました。


私が5歳の時に比べたら何倍もの外国の人たちに。
おかげで親子ともに
「適当に応える」度胸がついてきたように思います。


ある日、駅のホームで
写真を撮り合っている外国人男性の集団が。
「どこの国の人だろうね」と親子でちらちら見ていたら、
親しげに感じたのかその中の数人が寄ってきて、
息子の肩を抱き、カメラを見ろとジェスチャーをしたのです。
大きな中近東あたりの男性だったのに、
怯えるふうもなくカメラに向ってピースする息子でした。
その堂々とした感じ、さすがだなーと息子ながら思いました。

その息子を置いて一人でファミリーに行った日、
息子より年下の男の子が「ナマステー」とヒンディー語で挨拶をしました。
それを息子に報告すると、「ハムジャンボしかないな」と一言。
次のファミリーでは初めて皆の前で「ハムジャンボ!」とスワヒリ語で挨拶したのです。
ナマステに勝つには、ハムジャンボだなんて・・・、笑ってしまいます。

友人やママ友にヒッポの話をすると「英語だけでいい」とか
「何ヵ国語も無理だし、必要ない」という反応が多いのですが、
親子でできるというところに惹かれて入った私には、そこを説明することができませんでした。

でも自分なりに考えてみると、韓国ドラマにはまれば韓国語、
イタリアでサッカーやってる時にはイタリア語・・・と
旬なことばをちょいちょいつまめる感覚で楽しめるのが自分には合っています。
興味が変わるたびにテキストや辞書を買ったり、習いに行ったりするのは大変です。

英語だと学校で長く勉強していた分、こどもに教えてあげることができる。
お絵かき、食べること、歩くこと、
こどもに親から教えてあげることは沢山あるけれど、
一緒にゼロからスタートできるのはものってなかなかないんですよね。
一緒にできることで、お互いのよいところが見つけられるし、褒め合えたりもします。
こどもだけ英会話のCDを与えていたら「もっとCD聞きなさい」って
がみがみ言うだけの親になっていたかもしれません。
でも今は親の私よりも言える英語があったり、度胸もあったりして
5歳の息子にもリスペクト!
ことばのこと以外でも、息子を頭ごなしに叱ったりすることが
少なくなったような気もします。

それに、今まで私の中には日本語と英語しかなかったから、
比べてできる日本語とできない英語というふうに捉えていました。
でも多言語の環境になったら、ほかのことばがあまりにもわかないので、
話せる実感第1位は日本語、第2位は英語、第3位は韓国語・・・なんて
考えてる自分になっています。
話せないと思っていた英語が、まさかの第2位にランクイン!
ヒッポを始めて、この感覚を手に入れたことで、
私の言語観ががらっと変わりました。(完)

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